母から子どもたちへ、そして百年後のあなたへ――

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彼女たちの蒔いた種は、世紀を超えて、大輪の花となった。

本作の舞台からおよそ百年後の2016年、5月に台湾で初の大統領が誕生し、8月には小池百合子東京都知事が就任。アメリカでは女性初の大統領を目指すヒラリー・クリントンが“ガラスの天井”を打ち破ろうとしている。選挙権が18歳以上に引き下げられた日本では初の参院選が実施された通り、私たちが当たり前の権利として享受すす“一票”は、世界中に存在したであろうモードのような“名もなき花”の勇気ある行動によってもたらされたと言えよう。緑=希望、白=清らかさ、紫=尊厳…シンボルカラーの花束を胸に凛として咲き誇った女性たち。その花束は今を生きる私たちすべてに受け継がれた、過去からのかけがえのない贈り物なのだ。

未来 画 1メリル・ストリープ コメ 女性には投票券も親権さえも認められていなかった1912年のイギリス。ロンドンでは女性による参政権運動が先鋭化していた。原題の「Suffragette」とは、女性参政権者(Suffragist)の中でも過激な活動家を示す。そのカリスマ的リーダーであるエメリン・パンクハーストは、平和的な抗議が黙殺される現状に“言葉よりも行動を”と呼びかけた。―実話を基にした本作は、階級の垣根なく結束し、権利を求めて立ち上がった女性たちを描き出す感動作だ。誰しもの心を揺さぶる、現代もこれからの百年も語りづがれるべき物語である。

未来 画 2
主人公は、夫と息子の3人で慎ましく暮らす、洗濯工場勤めのモード。7歳から過酷な労働に従事している彼女にある時、生まれた初めての疑問が生じる。“別の生き方があるのではないか?”と。愛する我が子には自分とは異なる人生を歩んでほしい。その一心で声を上げ、やがて凛々しく変貌してゆくモードを若手演技派の筆頭キャリー・マリガンが演じている。実在の人物パンクハーストにはメリル・ストリープが扮し、圧倒的な存在感を放つ。