TOP >> WEBコンテンツ >> 洋のつぶやきブログ >> 2015年7月18日

「野火」塚本晋也監督来館!

塚本晋也監督が「ヴィタール」以来、10年ぶりにシアターキノへお越しになった。キノHPのリニューアル後の、この私のコーナーも復活することになり、その記念すべき一回目に塚本監督に登場していただくことになり、嬉しい限りである。
 高校生の時に、大岡昇平原作「野火」に衝撃を受け、その時になんとしてもこれを映画化したいと思い、それから30数年後に、自ら資金集めから全てをこなし、まさに塚本監督が全身全霊で映画化された作品であり、全国の上映館をほとんどまわっているとのことで、その半端ではない映画への想いが、びびびし伝わってくる二日間だった。
 トークの内容など、詳細は後日アップする予定ですが、その前哨戦としてポイントを少し。
★撮影で最も工夫したのは、ご覧いただく観客の皆さんが、まさに戦場にいるような気になっていただく、体験していただくような映画になっていると思います。そのためには、是非、劇場で映像と音で体験してほしいと思っています。
★ジャングルの中で、大自然の美しさに比べ、人間がボロボロになっていく愚かしさ、大自然を舞台にしての、不条理の密室劇とでもいえると思います。
★普段は60Kぐらいですが、徹底した減量で53Kまで落とし、限界に近い状態で撮影に臨みましたが、意識も朦朧とする過酷な現場で、実際の飢餓状態の兵隊さん達に少しは近づけたかもしれませんが、でも私たちの過酷さの何万倍もの過酷で恐怖的な状態だったと思います。
★わたしは高校生の時にこの原作を読んで、トラウマになってしまったけど、本当に戦場に行ったら<悪いトラウマ>になるが、わたしにとっては<いいトラウマ>になったのだと思う。若い方は、表現による<いいトラウマ>をたくさん味わってほしい。

<いいトラウマ>といういい方がいいですねぇ。なんかシアターキノの合言葉にしてもいいぐらい。<いいトラウマ>を味わっていただくために、これからも上映を頑張りたいと思います。まずは「野火」で<いいトラウマ>を!

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