TOP >> WEBコンテンツ >> 洋のつぶやきブログ >> 2021年4月15日

大林宣彦監督一周上映会について

4/10は大林宣彦監督がお亡くなりになって一周忌だった。昨年のこの日は「海辺の映画館」の公開予定日だった。あの頃は新型コロナによる緊急事態宣言が出る方向になり、映画館もまもなく休館になる手前で、シアターキノもその対策に追われていた。そして深田監督と濱口監督が中心となって、ミニシアターエイドが急遽立案され、始まる直前で東京からオンラインで緊急のアッピール座談会などの提案もあったまさにその時に、大林監督の訃報が伝わってきたのだった。もしかしての気持ちはあったとはいえ、正夢のような気がしてかなり落ちこんでしまい、座談会に参加できる状態でなくなって、大変申し訳ないがお断りして、東京にお別れにもと思ったが、新型コロナでとても行ける状態ではなく、札幌で心の中でお別れをせざるをえなくて、ずっと心の中に悔やみが残ったままだった。

そうしてやっと今年になって、大林千茱萸さんにご連絡し、一周忌の上映会をしたいとご相談して快諾していただき、4/16(金)と17(土)に大林千茱萸さんをお招きして、一周忌の上映会を開催できることになったのだった。上映作品を何にするか、素敵な作品があまりに多いので悩みはしたが、以前にも上映したが、その時に大林監督が上映後の打ち上げに参加した若いスタッフたちと実に楽しそうに作品のことを語っていてことを思い出し、まさに原点といえる「EMOTION 伝説の午後 いつか見たドラキュラ」をまず決めた。

そして20数年にわたって毎年通い続けていただいた芦別映画学校の方々と一緒に制作した、晩年の大林監督の最高傑作で、私たち北海道と最も関係が深い「野のなななのか」にしようと考えて、大林千茱萸さんに連絡したら、なんと「野のなななのか」のメイキングがあり、それを千茱萸さんが監督したと素敵な話になり、一気に決まっていったのだった。

明日16(金)は、18:15スタートで、「伝説の午後ー」上映後、大林千茱萸さんに「父、大林宣彦を語る」と題して、大林監督の原点となる初期のころから、商業映画デビューとなる「HOUSE」(この作品のアイディアはまだ子供だった千茱萸さんによるもの)やたくさんの役者たちとの交流など、大林映画の魅力の原点を語っていただきます。

17(土)は17:00スタートで、「野のなななのか」を上映して休憩後、芦別ロケの名シーンと、大林映画の撮影マジックをたっぷりと観ることができる千茱萸さんによるメイキングを上映し、さらに千茱萸さんと芦別の皆さんを代表して大西俊夫さんの対談と、トータル約4時間35分に及ぶ豪華な内容になりました。きっと天国の大林監督も喜んでいただけることと思います。

 両日とも、本日より限定チケットを発売開始いたしました。そうそう、上映当日は大林さんの事務所であるPSCから、今やプレミアの価値がついている大林映画のパンフレットやグッズをご提供いただきましたので(どれも1000円均一予定)、特別販売いたします。映画とともにお楽しみください。

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