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「市民参加型の祭りに」 札幌国際芸術祭 芸術監督大友さん会見

2016年2月17日 北海道新聞 朝刊

 

中高生のオーケストラ、大風呂敷制作…

「市民参加型の祭りに」

 

札幌国際芸術祭 芸術監督大友さん会見

 

2017年夏に開かれる札幌国際芸術祭の概要発表の記者会見が16日、札幌市時計台で行われた。芸術監督(ゲストディレクター)を務める音楽家の大友良英さん(56)が「市民参加型で札幌ならではの祭りにしたい」と強調した。子どもによるオーケストラや市民、道民に提供してもらった布地を縫い合わせる大風呂敷制作など、前回の芸術祭で課題とされた市民参加を積極的に展開する。

大友さんはNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の音楽を担当したことでも知られる。

会見では17年8月6日~10月1日に開く芸術祭のテーマ「芸術祭ってなんだ?」への思いや、六つの主な催しを発表した。

このうち、大風呂敷プロジェクトは、市内に複数の作業場を設け、市民が提供した布地をボランティアらが縫い合わせて風呂敷にする。大友さんは「(福岡県での同様のイベントは)6千平方メートルだったが、それ以上の大きさを考えている」と説明した。

中学、高校生を公募して結成するコレクティブ・オーケストラについては「楽器の演奏経験を問わず、ステージに乗れるだけの大規模で、子供たちと曲を作りたい」と話した。オーケストラや大風呂敷の準備は今年4月ごろから始める。

既存の美術館だけでなく、札幌の魅力的な街を祭りの会場にしたいと、ススキノや狸小路、円山公園でも作品展も開く。市民から公募した展覧会、イベントも公式行事とすることで「多くの人が参加できる祭りにする」(大友さん)狙い。

実行委会長を務める秋元克広市長は「大友さんの経験、ネットワークに市民の活動が協力する札幌らしい芸術祭にしたい」と話した。

(相川康暁)

 

札幌国際芸術祭2017の主な催し

●大風呂敷プロジェクト
市内外から寄せられた布地を縫い合わせて、数千平方メートルの巨大な風呂敷を制作する

●さっぽろコレクティブ・オーケストラ
中学、高校生を中心に公募でオーケストラを結成。17年に自作の曲を演奏する

●芸術祭はまちなかに出ますプロジェクト
狸小路や円山公園など札幌の魅力的な街中を、芸術祭の会場に見立てて作品を展示する。

●札幌国際芸術祭デザインプロジェクト
芸術祭のシンボルマークを市民で考え、マークや看板のデザインを共同で作り上げる

●一緒につくろう芸術祭公募プロジェクト
道内の団体、個人が芸術祭期間中に札幌市で開く展覧会やイベントを、公式行事として支援する

●アーティスト・イン・レジデンスプロジェクト
豊平区の天神山アートスタジオに芸術家が長期滞在して、札幌らしい作品を制作する