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全国映画よもやま話

俳優・演出家 斉藤歩さん

2015年9月26日 北海道新聞 朝刊

 

就活 仕事

俳優・演出家 斉藤歩さん(50)

 

あのころ

北大生だった20歳から演劇を続けていますが、「こんなことをしよう」と自分で進路を決めたことは一度もありません。もちろん、自分の環境を変える時には大きな決断をしてきたけれど、東京で映画やドラマに出るようになり芸能事務所に所属したのも、たまたま知り合った人に引っ張られたのがきっかけです。

大学をやめた後、工務店の下請けや掃除のアルバイトをしながら演劇を続けました。20代後半にたまたま知り合ったひとたちと演劇ユニットをつくり、芝居でギャラをもらうようになりました。

でも、20代には経済的に破綻している時期もありました。30歳を過ぎてもそんなのはみっともないと考えていたら、人づてにCMのナレーションや芝居の仕事が増えて、それを見た人が東京に呼んでくれた。東京での仕事が増え過ぎて2001年に拠点を移しましたが来年、僕は札幌に戻ります。自分の決意もありますが、人との関係が一番の決め手です。

最近、「仕事は自分がやりたいことと、自分に合うこと」と位置づける人が多いようです。でも僕はそう考えたことはない。だって、仕事って自分と社会との関係で成り立つものでしょう?人間は社会的な生き物である以上、社会と関わることで対価をもらって生きている。芝居作りも同じで、自分と他人の間に生まれる何かを表現する作業なんです。

僕は周りから引っ張られるように自分が存在する環境を変えてきた。だけど、その環境や人などと対応しながら仕事をする、何かを作るという気持ちはずっと変わらないんですよね。

 

(聞き手・文化部 中出幸恵)