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資料館 芸術の新拠点に

北海道新聞 12月2日朝刊

 

資料館 芸術の新拠点に

市が来年度整備計画  耐震改修、駐車場新設も 

 

札幌市は2016年度、中央区大通西13にある国の登録有形文化財「札幌市資料館」の増築や、耐震改修に向けた整備計画を策定する。来年で築90年となる建物自体の安全性を確保するとともに、現代美術を中心とした芸術分野の新たな発信拠点とする考えだ。

 

市は11月30日、整備計画の策定に向け、建築構造や芸術に詳しい有識者と市職員でつくる「市資料館保存活用検討委員会」を設置。検討委は①歴史的建造物としての評価と保存②耐震改修③札幌芸術祭の拠点施設など、魅力的な利活用④管理運営―について協議し、本年度中に基本方針と基本計画を策定する。

その上で、16年度に、施設の耐震改修やバリアフリー化、現在はない駐車場の整備に関する警備計画を作る。改修工事は20年度以降になる見通し。

市資料館の建物は1926年(大正15年)、現在の高等裁判所に当たる札幌控訴院として完成した。札幌軟石の外壁が特徴で、鉄筋コンクリート造り2階建て。全国で8ヵ所建設された控訴院のうち現存するのは札幌と名古屋のみで、97年に国の登録有形文化財となった。

2007年には札幌景観遺産にも指定され、14年の札幌国際芸術祭では会場の一つとして利用された。

一方、12年に市の耐震診断調査で、大地震が発生した場合、屋根の上にある煙突の倒壊や、外壁の崩落などの恐れがあることが判明。建物の耐震補強が課題となっていた。

市文化部は「市資料館の建物はファンも多い。ハードとソフト両面で魅力を高める検討を進めていきたい」と話している。

(相川康暁)