札幌の映画館シアターキノ

４/１０（日）いよいよ「ハッピーアワー」特別上映！

いよいよ、今週の日曜日４/１０日１３：００～札幌プラザ２・５（狸小路５丁目）で、シアターキノ２４周年記念上映第一弾「ハッピーアワー」の特別上映を行います。３部構成で５時間１７分（途中に２回休憩が入り、終了予定は１８：４０です）。観る前は誰でも、かなり躊躇するでしょうね。そういう私もそうでしたが、観たら全く退屈せず、映画に自然と引き込まれていきました。それは、メインになる４人の女性たちに、観ながら寄り添うような気持になっていくからだと思います。ワークショップ等で出会った女性たちですが、この４人の距離感がとても微妙でいいのですね。べったりもせず、かといって突き離しもせず、お互いの喜びや悩みを共有していきます。でも友情では解決しないことも出てきます。個人の中までは分からないし、踏み込めない。でもわかってもあげたい。人はこうやって少しの微妙な距離を行ったり来たりしながら、生きているような気がします。
　そして、少しなりとも情報をえている方はおわかりのように、ここに登場する出演者のほとんどは、ワークショップに参加した素人の人たちなのですね。でもその人たちの本当に自然体の素敵な演技は、観る私たちに不思議な映画体験を与えてくれます。もちろん、濱口監督と脚本家がみんなと一緒になって役柄やセリフを作っていったように、まちがいなく、演技をしているのですが、なぜこうにも自然な、演技などしていないような普段着の女性たちに、私たちも自然と引き込まれていくわけですね。ロカルノ国際映画祭でこの４人全員で主演女優賞を受賞したのもうなずけるというものです。
　
それから、３部構成を日にちを分けて上映しようかということも検討はしたのですが、ご覧になったらおわかりになると思いますが、いわゆる第一部、第二部、第三部といった作品ではなく、あくまで５時間１７分全部で一本の作品になっていて、一部を見終わったら、早く次のパートが観たくなってしまうような、次を見ないということはあり得ないような作品なので、これは一気に観るしかないと思ったのです。ですので、札幌プラザ２・５をお借りして一気に上映することを選んだ次第です。この４人の女性たち、そして出演者たち、濱口監督他スタッフ達の気持ちを汲んで、是非挑戦してみていただければ嬉しいです。